今回でこのシリーズも最後。
◆キャリアアグリゲーション
HP Elite x3はキャリアアグリゲーション(以下CA)に対応しています。CA利用可能なエリアに入ると通信速度が高速化するため、快適なモバイルライフを体験できるでしょう。多分。
……しかし、私はCA対応端末を手に入れたのは今回が初だったのと、そもそもCAはau網しか対応してないんじゃない?と勝手に決めつけていたため、購入後全く気にしていなかったのですが。ふと、通信中のアイコンを見ると、何やら見慣れぬ表記がありました。
LTE+。
プラスってなんやねーん、と思って検索したら、先駆者の方のブログ記事が見つかりました。そういえばVAIO Phone BizもCA対応機でしたね。
VAIO Phone Bizで「LTE+」という文字表記は何? - 意外となんとかなる日記
気付いてから見てみると、私の場合、職場近辺なら頻繁にLTE+表記になっていることがわかりました。自宅はダメっぽいです。HP Elite x3にはIIJのSIM(タイプD……要はdocomoSIM)を刺して使っているんですが、ちゃんとdocomo網でも大丈夫なんですね。勉強になりました。
◆HP専用アプリ
HP Elite x3には複数のHP専用アプリが含まれています。アプリ名の頭に全部、「HP」とついているので、Hのインデックスにまとまっているのですぐに見つけられます。
・HP 12C Financial Calculator for X3
HPオリジナルの電卓アプリです。実機っぽさを再現したUIや、横表示にしたときに一気に多機能になるなど、実用性も兼ね添えています。
・HP AiO Printer Remote
HP製のプリンターと連携する専用アプリの模様です。ところが私、HP製の……というかプリンターを持っていないため、何も試せませんでした。残念!
・HP Device Hub
Elite x3のデバイスそのものに関する各種情報が確認できます。このアプリの「規定」メニューの中に、技適マークが存在しています。他機種はOS設定のExtrasの中にあるものばかりだったので、「あれ、こいつ技適マーク表示できなくね!?」と一瞬焦ったのは内緒です。内緒ですよ。
・HP Display Tools
これは後述します。
・HP Mobile Hardware Diagnostics
デバイスに対してハードウェア的なテストなどが実施できます。たとえば表示に関するテストでは、画面のピクセル表示に異常が無いかを、赤緑青の表示を行ってチェックしたり、タッチの効かない場所がないかをチェックしたりできます。
何かデバイスに異常が感じられたら、ここでテストしてみるといいかもしれません。
・HP Picks
よくわかりません。
ストアへのリンクになっているようで、起動すると↑の画面になるのですが、そこで表示されるアプリが、おそらくHPがオススメする~的なものなのでしょうが、内容を見ても「うーん?」となるだけでした。試しに英語にしたり海外リージョンに変えたりしてみましたが、結果は一緒でした。うーん?
・HP Workspace
こちらのアプリは、ドック専用アプリとなっています。起動すると上記のメッセージが表示され、ドックとの接続を求められます。残念ながらデスクドックはまだ手元にないため、現在は試せないですね……。まああったとしても、HP Workspace(クラウドサービス)の登録はしてないので、結局試せないんですけどね、HAHAHA!
◆Continuum時に便利!「HP Display tools」※
さて、Continuum機能を使ったことのある人ならお気づきかと思いますが、Continuumは接続中はモバイルデバイス本体の電源がONのままじゃないと切断されてしまいます。これは電力消費がその分激しくなるのもそうなんですが、Elite x3のような有機EL端末の場合、画面の焼き付きという恐ろしい事態を招きかねない、由々しき問題です。
私も過去に有機EL機種を3つほどメイン機として使用しましたが、そのいずれもが焼き付きを起こしてしまいました。原理上、有機EL端末では避けて通れない問題であり、故に私は有機ELを好ましく思っていないのですが……。
しかしそこは流石のHPさん。(突然のヨイショ)
この問題への対策としてHPが用意したのが、さきほどは説明を省いたHP Display toolsです。こちらのアプリは、Continuum中に起動(※)すると、なんとその間、本体を消灯状態にしてくれるのです!
非Continuum状態でも一応起動は出来ます(※)。起動すると設定だけ可能な状態です。そしてこのアプリをContinuum中に起動させると……。
このように、画面の一部に時計だけを表示する状態となります。この時計表示の位置はランダムに切り替わっていくため、これならば焼き付きの問題もほぼ心配ありません。そしてほぼ消灯に近い状態(実際には、真っ黒い画面を表示しているだけに近いため、スクリーンショット等の撮影は可能)なので、バッテリー消費も小さく抑えられます。
※ただしこのアプリは日本語環境では起動すらしませェン!!!
(言語を英語にすれば起動できます)
致命的……!
唯一にして最大のその欠点、あまりにも致命的……ッ!!
このアプリが日本語環境でもちゃんと起動するように、HPさんには早急にアップデートをお願いしたいところです。ほんとお願いします。マジお願いします……。先日紹介したダブルタップの設定アプリは日本語化したので、これもそう遠くないうちに対応されると、信じています。
(ただ、まぁ、Insider Preview14946で、本体とContinuum画面側のタイムアウト設定を別々に出来るような機能がOS側で追加されたので、それがRS2まで待たずとも正式版に来てくれるなら解決なんですが)
◆総合的な使用感
とても満足しています。
まず、バッテリーの持ちが尋常ではありません。普通に使用していてもNuAns NEOよりも長持ちします。それは、バッテリー搭載量がNEOが3350mAhに対してx3は4150mAhもあるのだから当然なのですが、数値以上に長持ちしているように感じます。特に、未使用時の消費量が圧倒的に少ないのです。置いとくだけなら、丸一日たっても10%くらいしか減ってなかったのを見たときは驚愕しました。
そしてW10M初の指紋認証機能搭載機でありながら、感度は良好で反応速度も十分な速さです。強いて言えば認証機の位置がやや上のほうにあるため、若干指が届きにくいくらいでしょうか。
また、先日カメラ画像を載せたときには画質とか撮れ方のほうにしか言及しておりませんでしたが、「オートフォーカスに難あり」という状態でした(書き忘れてた)。この問題は各機種で発生しており、MADOSMAやNuAns NEOはファームウェアアップデートによってある程度改善を見せております。Elite x3も、先日のファームウェアアップデートによって、オートフォーカスに関しては劇的に改善しました。
しかし難点が無いわけでもありません。
まずは先にも述べた通り、有機ELのため焼き付きが怖いです。私なんかは同じ画面を長時間表示しっぱなしにしておくことが多いため、UIのボタン部分などが焼き付きやすいです。そのためビクビクしながら使用しています。
そして、意外と重いです。本機は194gほどあり、大きく薄いからある程度は体感的には緩和されているといえど、やはり重いです。少し持ってる分にはさほど感じませんが、長時間手で持ってると、次第にずっしり感を感じてきます。
最後に……やっぱり6インチはでかい!でかい!! 私は他の人より手は大きいですが、それでも大きいと感じます。片手持ちは完全に諦めてくださいレベルです。せめて5.5インチなら……!
ですが、やはりW10M最高のスペックを誇るだけはあり、とても安定しています。今までの機種で感じていた、ところどころの引っかかりは本機ではあまり感じません。また動作も当然ヌルサクなんですが、安定感がかなりあります。別タスクを大量に立ち上げたままでもさほど気になりません。「これがスペックの差か……」と感じずにはいられません。(特に、IMEが落ちおる問題がまだ一度も発生してないのです。ただの偶然でしょうか……?)
当然、このスペックですので値段は高めです。ですが、絶対価格としては高いですけどスペックに対しては十分な価格設定であり、むしろ某端末のように10万越えすら覚悟していたのもあって、お得に感じられます。
W10Mになって、低スペック機では動作が重いところも目立つようになってしまいました。そのため、今後はAndroid機のようにある程度はスペックが求められるようになっていくと思われます。本機はそんなW10M端末の中で、間違いなく現状最高峰の仕上がりになっているでしょう。
そのスペックをフルに生かしたアプリが……そしてコンシューマー向けを狙っていくためにも、ゲームアプリがもっと増えてくれるといいんですけどね。スクフェスとかスクフェスとか、あとスクフェスとか。