Creators Update後、Mobile向けのInsider PreviewはPC版の「16xxx」番と違って「152xx」になっており、更新内容もバグ修正のみで新機能が一向に追加されておりません。そのため、一部では「MSはWindows 10 Mobileを諦めるつもりだ」といった、不穏な意見を見かけるようになっておりました。 しかし、もしかしたらそんな不安を払拭してくれるかもしれない展開が、急にやってきました。
◆きっかけは、ビルドの誤配信
先週の金曜日の朝に、何やら見慣れぬビルドが配信されておりました。上記画像のように複数のビルドが、それも名前に「Xbox」を含んでいるような、いかにも怪しいものが。 これ自体は、MSの誤配信によるもので、本来は配信予定のなかったビルドとのこと。このビルドは適用しないようにと注意勧告がでていました。万が一適用してしまった場合、再起動を繰り返す状態になるためWDRTを使ってリカバリするしかない 、適用はしてなくてもダウンロード完了してしまっているとデバイスをリセットしないといけない 、という状態になるため、中々に阿鼻叫喚でした。(私はDL完了までいってしまってました)
それだけなら、ただの一騒動で終わるだけだったのですが……。
実は、このとき誤配信されたビルドの中に、適用することで更新が成功してしまうものが紛れていた というのだから驚きです。
◆「CShell」で再構成されたされたW10M?
それは海外でWindows 10 Mobile情報を取り扱っているサイト 「Windows Central 」 によって報告されました。英語のサイトですので翻訳サイトにかけながら読むか、あるいはもっと手っ取り早く、下記の動画を見てみてください。英語わからなくても見てるだけで大丈夫です。
VIDEO
はい。
ええ、もう、「えっナニコレ!?」ってびっくりしました。
翻訳サイトで翻訳しながら読んだので、間違っているところもあるかもしれませんが……。 まず、この新しいUIについて Windows Central では「CShell 」と呼称しています。これによって、PC、モバイル、XboxやHoloLensに至るまで共通のUIを提供する、というもののようです。 このビルドは前述の通り、先週金曜日の誤配信ビルドの中に紛れていたものだそうです。表記は「16212_arm」だったとのこと。興味深いのは、このビルドはLumiaデバイスに適用した場合は無限再起動に陥るものの、HP Elite x3ならば正常に起動した 、というところでしょうか。 MS製のLumiaデバイスではダメ、というところ、非常に気になります。今までのInsiderビルドは、Lumiaを中心に調整しているものだと思っていましたので。
動画の中でも確認できるように、このビルドではスタート画面で、タイルの変更メニューが全てコンテキストメニューで表示されています。これはPC版のWindows 10と同じですね。そして、正方形の大きなタイル も設定できるようになっていること、ライブタイルを一時的に停止することが可能 になっているのが目につきます。これも、PC版と同じことが可能になっているようです。
このビルドではスタート画面の横向き表示 が可能になっています。タイルが左右いっぱいまで広がるわけではないようですが、長らく要望されてきた横向き表示なので、これだけでもちょっとした感動を覚えてしまいます。
アクションセンターについて、こちらもPC版に大分よせてきたなという感じです。クイックアクションボタンが画面下部に移動しております。これは、片手での操作がしやすくなったというメリットがあるものの、見た目的に違和感が強いですね。
そして、Continuum。 去年末に発表されていた、マルチウィンドウ対応 が実装されています。ぱっと見では心配していたほど重くはなさそう(多少もっさり感もありますが、許容範囲かな?)です。開ける数も上限は無さそうで、Continuumの実用性がぐんと高まったように感じます。
これらのUIは、あくまでもPreview版であること、ましては本来は公開する予定のなかったものです。つまり最終決定のデザインではありません 。なのでまだ変更になる部分も多々あるかと思います。
◆このビルドに何を思う?
現状で、このビルド(16212)はまだ配信されていません。ましてや配信されるのかどうか未知数です。 Continuum時のマルチウィンドウに関しては、スペックを要求されるでしょうから、もしかしたらこのビルドは現状、HP Elite x3でしか動かないものなのかもしれません。(Lumiaだと無限再起動になるとのことですし……)
このビルドによって推察できることは色々あります。Lumiaで動かないビルドがあるということからもMSが今はそれほどLumiaデバイスを優先していないこともわかります。このビルドが現状のWindows 10 Mobileにそのままやってくるのか、それともARM版Windowsとの統合の一環で作っただけのものなのか。 最終的に提供されるものは、Windows 10 Mobileとはまた別のものとして出てくる可能性も、もちろんあります。考えれば考えるほどにあらゆる可能性と、それを否定する可能性とが相反しながら脳内を駆け巡っているのが正直なところです。
ただ一つ、「MSはまだあきらめていない 」ということについては、間違いないものだと、今の私は確信しています。